Vista 時代におけるユーザーエクスペリエンス技術の選択

REMIX Tokyo カンファレンス

10月26日、東京国際フォーラムで「REMIX TOKYO」が開催されました。その最終日に行われたパネルディスカッション、「Vista時代におけるユーザーエクスペリエンス技術の選択」に、弊社取締役 アートディレクターの水鳥雅文がパネラーとして登壇。MdN 月刊web creators編集長の山口康夫氏、ヴォイクスジャパン CEOのJean Pierre Minamizaki氏、キッズプレート 代表取締役の茂出木謙太郎氏らと共に、デザイン面およびビジネス面からVista登場の影響について考察を交わしました。

このパネルディスカッションではWindows Presentation Foundation(WPF)やVistaなどの新技術がもたらすデザインやビジネスへの影響に関して、「表現力の向上」「Webと連係したアプリケーション作成の容易さ」「デスクトップとWebとの連動」の3点から論議がなされ、デザイナーの立場からの見解と、これからのWebの展開についての推察が発表されました。

広がる表現力

Web2.0時代のWebデザインについては、ユーザビリティ向上のための技術に束縛され、デザイン面が犠牲となっている点に懸念がもたれています。AjaxのようにWebの裏側の仕組みを刷新する技術は発達しましたが、表面部分の表現力ついては限界があるためです。Flashなどを用いて見た目の面白さにこだわったサイトも一般化してきましたが、それでもブラウザ上の表現としてデザインの限界は拭いきれません。デザインがパーツ化され、類似したデザインが増加しているのが現状です。

VistaやWPFがもたらすのは、まさにブラウザからの脱却です。Webとデスクトップアプリケーションを使った「ブラウザを捨てた」表現方法が主流となり、これまでの表現力の限界が解かれるでしょう。さらにリッチなユーザーエクスペリエンスを提供することができるようになり、ここから新しいビジネスチャンスが生まれると考えられています。

効率的なWeb構築

費用対効果の面からみても、WPFを使用したデザインは利点があります。WPFではFlashなどに比べて、より優れた表現力が少ない労力で発揮されるというのです。現在、機能性の高いWebサイト構築にはPHP、SQL、JavaScriptなど複数の言語の習得が必要とされていますが、WPFによれば、C#だけでフロントエンド、ミッドウェア、バックグラウンドのすべてを開発できます。 WPFは従来のCSS+HTMLをベースとしたシンプルWebデザインを否定するものではありませんが、費用対効果に優れた効率的な開発の1つの方法として注目に値する手法です。

アプリケーションとユーザーエクスペリエンスの時代

さらにVistaの登場により新しいビジネスモデルの誕生も期待されています。Vistaでは、サイドバーガジェットのようにWebと連動したアプリケーションが一般化してきます。これを受け、これからは、アプリケーションをダウンロードさせることを目指したWebサイトの構築が始まると見られています。
各企業ともアクセス数の増加にしのぎを削っているのが現状ですが、使いやすさ、見た目の良さなどを兼ね備えた、インパクトのあるアプリケーションを開発しなければ競争に勝てない時代になることが予測されています。そして、ビジネスプロモーションにとって非常に重要となるのが、アプリケーションをダウンロードしたユーザーのその後のアクションまでの筋書きです。 つまり次世代のWebには、ユーザーインタフェースからユーザーエクスペリエンスとその効果までを演出・プロデュースする、いわば映画監督のような人材が求められるのです。

ディスカッションの最後には「WPFにはWebをRebornさせる(生まれ変わらせる)ポテンシャルがある」ことが確認されました。WPFによって、これまでには考えつかなかった新しいWebのかたちが生まれると考えられています。様々な可能性を秘めたWPFですが、肝心なのは「WPFで何ができるか」を提示できる真のクリエイティビティです。この新しい技術の出現によって、表面のデザインやユーザビリティは元より、サービス展開の創造性やビジネスの本質までが問われてくることでしょう。Vista到来によって、人の生活を豊かにする本当の意味でのIT革命が期待できるのではないでしょうか。


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